再び魔女の瞳を拝見したくて一切経山に妻と登った。
福島西ICを降りるとワクワクする。
なぜなら磐梯吾妻スカイラインを通れるからだ。
この道はここが日本であることを忘れさせる。
いや、地球であることを忘れさせると言っても過言ではないほど一瞬にして目の前に異世界が広がる。
荒々しい山肌が姿を現し、轟々と音を立て噴煙を吐き出している。その光景はまさしくSF映画さながらで男心をこれでもかとくすぐってくる。
一切経山はとても登りやすい。
高度を上げる必要があまり無く、なによりもそこら中に絶景が転がっているからだ。
前述した異世界を思わせる荒々しい山肌からの噴煙。
アルプスを思わせる鎌沼の木道。
吾妻小富士の噴火口。
なによりも魔女の瞳。
どこを切り取っても絶景である。
妻もこの景色はとても気に入っている。
今日は2回目の一切経山である。
前回お邪魔した際は少し歩き足りない思いをしたこともあり、少し妻にはきついかなと思いつつも本日は東吾妻山にも足を伸ばす計画を立てた。
いざ出発。
避難小屋までは急登もなく妻は絶好調だ。
小屋を過ぎた辺りから妻の口数は減るが、放心状態に陥るほどの急登ではないため、会話を交わしながら登ることができる。
しばらくすると山頂に到着する。
空気に大感謝し、記念撮影を終えて待ちに待った魔女の瞳に会いに行く。
本日も無事に魔女の瞳を拝見できた。
前回拝見した時と色合いの異なる瞳であった。
魅了される人が後を立たないのはこのように四季折々の色合いを見せてくれるからであろう。
魔女の瞳に別れを告げハイジがひょこりと現れそうな鎌沼を経由して東吾妻山に登った。
東吾妻山の眺望も一切経山に負けず劣らず素晴らしい。
福島の二大シンボルと言っても過言ではない磐梯山と猪苗代湖が一望できる。
しばらく休憩したのちにスカイライン方面に下山した。
こちらの道も所々湿原が現れ心が癒される。
湿原を過ぎると樹林帯になる。
そこは浮石や竹の絨毯で多少の歩きにくさがある。
私は下山時、妻の動きには細心の注意を払う。
なぜなら妻は下りを得意とする発言を度々するからだ。
その都度私は妻に怪我フラグが立っているのではないかと心配になる。
この日もそうだ。
妻は得意げな表情で頻繁に下りを得意とする発言を繰り返していた。
やはりそういう時に事故は起こる。
少しの段差があり、着地点が浮石だった。
私は振り返り妻に注意喚起をした。
しかし、時すでに遅し妻は横っ飛びをしていた。
かの若林源三のライバルであり、ゴールキーパーながらも攻めの若嶋津と称される若嶋津健の三角飛びを再現するかような姿勢で宙に浮いていたのだ。
人とは不思議なもので、こういった緊急事態には全てがスローモーションに映る。
私の目も例外ではなく若嶋津…いや妻の横っ飛びがスローモーションで映し出されていた。
私の体は咄嗟に動いた。
全筋力を総動員し、妻を受け止めた。
妻とは二十年以上一緒にいる。この先も長い付き合いになるはずだ。しかし、お姫様抱っこは最初で最後かもしれない。
その重みを私は全身で感じた。
スカイラインまで出ると浄土平ビジターセンターまではもう少しだ。
夫婦登山にしては今回は長い距離を歩いた。
妻は頑張った。
その結果、妻の足の爪が後日死んだ…。
最後になるが浄土平ビジターセンターの塩バニラソフトクリームと溶岩密芋は絶品だった。
是非ともご賞味あれ。
一切経山に登るための情報や登山道の詳細を記した徹底ガイドの記事を書いていますのでこちらも是非ご覧下さい!!
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