40代から始めるマイカー登山|クイズの王 ~蓬田岳~

山エピソード

こんにちは。

週末ハイカーのはるたろうです。

今日は2022年10月8日に福島県に鎮座する蓬田岳に登った時のエピソードを紹介したいと思います。

この山行では忘れることの出来ない出会いが待っていました。

世の中には多くの愛すべき人達が存在していると強く思った出会いです。

お時間のある方はお付き合いください。

蓬田岳に登ろう!!

息子の部活の送迎ついでに近場でサクッと登れそうな山を検索したところ蓬田岳がヒットした。

今日は久々に妻と一緒に登る。

妻は蓬田岳が未知の山ということと昨日の雨による登山道のぬかるみが気になっているようであまり乗り気ではなかった。

しかし、道中に見た青空のお陰で一気に登山気分に切り替わったようだ。

私は妻の様子を見て安心した。

蓬田岳は芝桜で有名な「ジュピアランドひらた」から登る。

「ジュピアランドひらた」に着くと駐車場案内人が数人いた。

私は蓬田岳がこんなにメジャーな山だとは思わず驚いたが、駐車場を確認するとステージが設置され出店が複数あったため何かのイベントが実施されているようだった。

駐車場案内人に私たちは登山をしにきた旨を伝えると上の駐車場に案内された。

駐車場は100台以上が停められそうなとても大きな駐車場だ。

芝桜の時期にはこの駐車場がいっぱいになるのだろうと想像しながら私は登山の準備を行った。

クイズ王の登場

いざ登り始めると始めは比較的緩やかな道で妻のおしゃべりも絶好調だった。

ここ最近はソロ登山が多かったため、会話をしながらの登山がとても楽しかった。

暫くすると小さな沢に差し掛かった。

その沢で私達は、なにやら石を転がしている人に出会った。

この人が後にある方法で私達に不意打ちを仕掛けてくる人だとはこの時は知る由もなく、ただ挨拶をして通り過ぎた。

沢を過ぎると急登になる。

妻は案の定無口になった。

こうなるとソロ登山と変わらず静かな樹林帯歩きとなる…。

いや、そうなるはずだった。

私は後ろから妻以外の気配を感じおもむろに振り返った。

すると、先ほど沢で石を転がしていた男が妻の直ぐ後ろにいた。

その時は訪れた。

「ジャジャン。ここでクイズです。これはなんでしょう」と男が言って、目の前の石が積み重なった物体を指差した。

私は不意打ちを喰らったものの、頭をフル回転させ、「竈門」と答えた。

するとその男は「ピンポーン」と言って拍手をした。

私は「やった!!正解した」と言って喜んだ。

いや、待てよ。

ちょっと喜んでしまったが冷静になって考えろ。

私はまだ登山経験が豊富ではないが、山で、しかも見ず知らずの人にいきなりクイズを出されたのは初めてだ。

色々な人がいるなと思い、私達はこの見ず知らずのクイズ王を見送った。

山とロック

まだ妻のおしゃべりが復活しそうもないため、今度こそ静かな樹林帯歩きが再開する。

するはずだった…。

しかし、間もなくそれは起きた。

前を行くクイズ王が見ず知らずの登山者にクイズを出していたのだ。

今度は三択クイズのようだ。

その声は妻のおしゃべり時の音量を遥かに凌駕し、尚且つ上り坂でも声量が落ちていない。

どうやら妻のスピーカーよりもグレードが高いようだ。

私はクイズ王のスピーカーの性能の良さに感心していた。

その時だった。

「ジュピアランドひらた」方面から内田裕也さながらのロッケンロール音楽が、鳴り響いてきた。

駐車場で行われているのが音楽のイベントなのだろう。

山登りをしながら生演奏のロックを聞くのも見ず知らずの人にクイズを出されるのと一緒で始めてだ。

今回はなにやら賑やかな山登りになった。

ロッケンロールを感じながら瀕死の妻を励まし私たちは山頂にたどり着いた。

正解

山頂では、クイズ王が岩の上で景色を眺めていた。

私たちも景色を見るためにその岩に近づくと、クイズ王は場所を譲ってくれて見える山々の紹介をしてくれた。

そこには妻の五臓六腑がついに限界を迎えた筑波山、妻が鬼の形相で登った磐梯山、妻が若嶋津健さながらの華麗なる横っ飛びを披露した吾妻連峰などが一望できた。

クイズ王のガイドに感謝しつつ、辛いながらも楽しい思い出を妻と共有できた。

蓬田岳は登山には程よい。

距離も短く、頂上からの眺めも良い。

帰り際、妻は助手席から私に向かってこう言った。

「ジャジャン。ここでクイズです。私はもう一度蓬田岳に登りたいでしょうか?登りたくないでしょうか?」

私は少し考える素振りをして 「登りたい」と答えた。

その答えを聞いた妻はにこやかに笑った。

どうやら私はクイズ女王の出したクイズにも見事正解したようだった。

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