40代から始めるマイカー登山|”日本百名山”「皇海山」徹底ガイド

山ガイド

こんにちは。

週末ハイカーのはるたろうです。

今日は日本百名山として群馬県と栃木県に跨がって鎮座する「皇海山」について皆さんに紹介したいと思います。

皇海山にまだ登ったことが無い方でもこの記事を読んでいただければ登ることが出来ると思います。

※この記事は2024年6月の山行をもとに作成しています。

皇海山ってどんな山

皇海山は、群馬県と栃木県の境に位置する標高2,144メートルの日本百名山で、奥深い自然に囲まれた静寂な環境と、荒々しい岩場や急峻な登山道が魅力です。

山頂からは日光連山や谷川連峰を望む絶景が広がり、手つかずの原生林や渓流が作り出す豊かな自然も楽しめます。

現在は群馬県側からのアクセスが不可になっているため、難易度が高い栃木県側からのアクセスに限られていますが、魅力溢れるコースは挑戦する価値が大いにあります。

延々と続く登山道はその全てが山深く静けさに包まれているため、自分と向き合いながら充実した山行を味わえる特別な山です。

そんな魅力あふれる皇海山について詳しく紹介したいと思いますので是非最後までご覧下さい。

※今回紹介するのは実際に私が歩いた銀山平駐車場~庚申山~皇海山~六林班峠~銀山平駐車場のコースになります。尚、今回のコースは長距離かつ険しい岩場や鎖場が多く技術と体力を要します。十分な備えと早めの行動開始を推奨します。

マイカー登山者のための情報

アクセス方法

駐車場

銀山平登山者駐車場について、以下に情報をまとめました。

  • 駐車場の規模:駐車台数50台
  • 料金:無料
  • 施設:トイレ、登山届ポストがあります。水場はないため事前準備が必要です。
  • アクセス:北関東自動車道の伊勢崎インターチェンジから国道17号線を経由し、県道73号線を大間々方面へ進みます。その後、国道122号線を日光・足尾方面へ進み、草木湖を過ぎて足尾トンネルを抜けた先で県道293号線に左折します。「国民宿舎かじか荘」を過ぎた先の左手に駐車場があります。

トイレ情報

銀山平登山者駐車場の近くに公衆トイレがあります。

尚、使用出来る時期が限られていますので、詳細は以下のリンク先をご覧下さい。

↓↓↓トイレ情報↓↓↓

銀山平公衆トイレ|日光市公式ホームページ
なし

登山コース

群馬県側の不動沢コースが通行止めのため、現在の登山コースは栃木県側の銀山平から登るコースのみになっています。

登山コース上にある山小屋「庚申山荘」も現在は利用出来ませんので、基本的には日帰りでの登山となります。

距離は25.9kmで、高低差が約2200mです。

かなりハードな山行になりますので事前準備の徹底や早めの行動開始を推奨します。

今回ご紹介するコースを歩いたときの山行記録を載せておきますので参考にしてください。

↓↓↓皇海山の山行情報↓↓↓

いざ蒼天の頂へ 〜庚申山・駒掛山・渓雲山・薬師岳・鋸山・皇海山・女山〜 / はるたろうさんの渓雲山庚申山(栃木県)駒掛山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

コース詳細と見所

銀山平駐車場~庚申山荘

銀山平駐車場を出発すると直ぐにゲートが現れます。

ゲートをくぐった後はしばらくの間、平坦な車道(一般車は通行不可)を歩きます。

※本格的な登山道が始まる一の鳥居までは約4kmありますので道のりは長いです。一の鳥居まで電動自転車を使用している登山者もいました。


しばらく歩くと天狗の投げ石という見所が現れます。

不思議なことに、この一帯のみ大小様々な石が山の斜面に敷き詰められています。

言い伝えによると、天狗が皇海山の山頂付近から力強く岩を投げたことで、遠く離れたこの場所にその岩が落ちたと言われているそうです。

とてつもない怪力の天狗ですね。


天狗の投げ石を過ぎると、間もなく一の鳥居に到着します。

ここからが本格的な登山道になります。


一の鳥居をくぐると雰囲気がガラッと変わり神聖な空気に包まれます。

沢が一本流れていて、木の橋が渡されています。

木の橋を渡りながら、沢沿いを緩やかに登ります。

また、所々に奇岩がありますので、鑑賞しながらゆっくりと歩き、体を山道に慣らして行きましょう。


仁王門を過ぎると勝道上人と大忍坊の碑が建てられています。

勝道上人は、日光連山を開山した僧として、男体山、女峰山、太郎山などを巡礼し、霊場としての地位を確立しました。その活動の中で、皇海山にも足を運び、修行や開山に関わったと伝えられています。

また、大忍坊は、皇海山周辺で修行を行った修験者で、山岳信仰に深く関わった人物として伝えられています。彼は厳しい山中で修行を重ね、超自然的な力を得たとされ、地域の人々から尊敬されました。

このように、日本を代表するような名山には必ずと言って良いほど様々な言い伝えが残っています。

それらの歴史に触れながら山を歩くというのも登山の一つの楽しみです。


勝道上人と大忍坊の石碑を過ぎると庚申山荘が見えてきます。

山荘の中は利用出来ませんが、山荘前の広場にはベンチとテーブルがあります。

山荘を過ぎると険しい山道が続きますので、ここで体力を回復させるために、一度休憩することをおすすめします。


庚申山荘~鋸山山頂

庚申山荘を過ぎると登山道は一段と険しさを増します。

目の前には写真には収まりきらないほどの大きな岩が聳えています。

その岩からは一筋の水が滝となって地面に落ちてきています。

この巨大な岩の脇を細い登山道が横切っています。

左側が切り立った崖になっていますので足元に注意しながら進みます。


急な登りが続きますが、要所では木製の階段がかけられていて、登山道はとても良く整備されています。


この辺りまで来ると眺望が開けます。

まだまだ先が長いので景色を眺めながらこまめに休憩を取りましょう。


石のトンネルをくぐります。

筑波山にある弁慶の七戻りと似ています。


大胎内をくぐろうとしましたが、とても入口が狭いので諦めました…。

入れそうだなと思った方は是非挑戦してみて下さい。


富士見台がありましたが残念ながら雲がかかっていて富士山が見られませんでした。

しかし、この辺りの眺望はとても良いです。


富士見台を過ぎると尾根に出ます。

尾根に出ると間もなく第1のピークとなる庚申山の山頂に辿り着きます。

行動開始から約2時間半が経過していました。

距離にして約7kmで、高低差をみると約1km標高を上げたことになります。

実はこの時点で、結構疲れのピークが来ていました。

深夜0時起き(睡眠時間2時間)で移動時間約3時間ということも効いていたのだと思います。


庚申山を過ぎるとアップダウンを繰り返しながら鋸山まで5つのピーク(御岳山、駒掛山、浮雲山、薬師岳、白山)を越えていく必要があります。

アップダウンが激しく更に体力が削られていきます。

また、尾根沿いからは今回の目的地である皇海山も姿を現わします。

百名山の名にふさわしいとても美しい山容です。

中央に聳える皇海山
庚申山から鋸山の縦走路
庚申山から鋸山の縦走路

白山からは鋸山に至るまでのルートが見えます。

急斜面に梯子とロープが掛けられています。

写真で見ると結構な高度感があり難易度が高そうですが、実際近くまで行くとそうでもありませんでした。

それよりも、白山から下る際の鎖場が今回の山行を通じて個人的には一番の難所でした。

鎖が細くて頼りなかったということもありますが、とにかく岩が滑り、足場が安定しませんでした。

このルートを歩く場合は3点支持をしっかりと行い、注意して降りて下さい。


先ほど白山から見えた鋸山までのルート上でロープ場から下を見下ろす感じで写真を撮りました。

繰り返しになりますが、実際に登ると高度感はそれほどでもありません。


ロープ場を越えると細尾根を渡ります。

左右が切り立っていますので十分に注意して渡りましょう。


細尾根を越え、短い梯子を下ります。

垂直の梯子なので3点支持を確実に行って慎重に下りましょう。


梯子を下った後に、少しばかり登ると鋸山の山頂に辿り着きます。

とても眺望が良いです。

鋸山山頂からの景色

鋸山山頂~皇海山山頂

鋸山からはザレ場の急な坂(ほぼ崖)を下ります。

要所にはロープがあります。

しっかりとロープを掴んでゆっくりと降りて下さい。

また、先行者がいる場合は落石の危険があるので声を掛け合ってお互いの安全を確保するようにしましょう。

鋸山を下り切った所からの写真(とても急です)

鋸山から一気に標高を下げた分、今度は皇海山の山頂まで一気に標高を上げます。

皇海山山頂までの登りも中々の急登になります。

ゆっくりと呼吸を整えながら登りましょう。


急登を頑張って登ること約30分、青銅の剣が姿を現わしました。

この剣まで辿り着いたということは皇海山山頂はもう目の前です。


やっと着きました。

登り始めて約6時間、とても長い道のりでした。

山頂は眺望こそありませんが、達成感と疲労感で満ちあふれていました…。


帰り道を想像したくないほど、足がぱんぱんになっていましたので、空を見上げながらしばらく休憩しました。


皇海山山頂~庚申山荘

帰りの道のりもとても長いため、休憩もそこそこに出発します。

鋸山までの道はピストンになります。

鋸山山頂からは六林班峠を歩くことになります。

こちらは庚申山方面と違いアップダウンが少ないルートになります。

鋸山山頂から見た六林班峠方面

ザレ場の急な坂を下ると、藪漕ぎがスタートします。

噂には聞いていましたが、背丈ほどの熊笹が行く手を阻みます。

足元には所々倒木等がありますので、トレッキングポールで少し先の方の笹をかき分け、足元を確認しながら歩くと安全です。


倒木に躓き何度か転びそうになりましたが、無事に藪漕ぎゾーンを抜けることが出来ました。

ここからはアップダウンが少ないため、少しばかり緊張の糸が切れた間隔がありました。

しかし、悪夢はここからでした…。


この六林班峠、とても長いです。

道幅は人1人がやっと歩ける広です。

また、 進行方向に対して右側に所々急斜面が現れるます。

それに追い討ちをかけるように、道は少しばかり右側に傾いており、さらには短い笹で覆われているため、急斜面に落ちそうになります。


しばらくすると、水の流れる音が聞こえてきます。

渡渉好きの私は少しばかり、テンションが上がります。

沢を渡るために少しばかり下って水に手をつけました。

冷たくてとても気持ちが良いです。

長い藪漕ぎにより失いかけていた気力が少しずつ蘇ってくるのを感じました。

いつまでもこの場所で沢の音を聴いていたかったですが、あまりゆっくりもしていられないため先に進みます。

沢を渡ると、その後は少しばかりの登り返しがあります。

登り切るとまた同じような樹林帯が続きます。

斜面に転げ落ちないように、慎重に進みます。

すると、また少し先の方から沢の音が聞こえてきました。

また渡渉です。

沢に降りるために少しばかり下って、沢を渡るとまた登り返します。

再度、変わり映えのない樹林帯を歩きます。

しかし、相変わらず進行方向の右側には所々急斜面が現れるため気を抜くことはできません。

ん? また水の音がしてきました。

ということはまた沢があるはずです。

また沢があるということは下ることになるし、登り返しもあるります。

さらには登り返しの道は崩落しかけたところが多く、否応なしに神経を使うことになります。

所々に崩落箇所あり

この辺で登山者は皆気付くことになるかと思います。

この六林班峠コースは樹林帯歩きと渡渉をまるで無限ループかの如く繰り返すことになると…。(距離にして約5kmです。)

私自身も、六林班峠が終盤に差し掛かる頃には、すでに体力は底をつきそうで、眠気も最高潮を迎えようとしていました。

ちょうどその頃に庚申山荘が見えてきました。

庚申山荘からは登りで歩いたルートと合流です。(ここからもまだまだ長い道のりです…)


さて、皇海山の山行はいかがだったでしょうか?

個人的な感想としては、とても距離が長く高低差のあるルートで、鎖場等技術を使う場所が複数あったため、百名山の中でも上級者向けかと感じました。

今まで日本百名山を含め多くの山に登りましたが、皆さんにお勧めできる山かと聞かれたらあまりおすすめは出来ないかと思います。

私自身ももう一度登りたいかと聞かれても躊躇すると思いますので…。

しかし、自身の限界を知るための山行としては挑戦する価値はあるかと思います。

尚、皇海山に挑戦する場合は、早めの行動開始、十分な食料と水分を持って行くようにして下さい。

また、状況によっては途中撤退の判断もするようにして下さい。

この記事を読んで頂き少しでも山登りや皇海山に興味を持っていただけたら嬉しい限りです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

皇海山のことでもっと知りたいことなどがあれば、是非お問い合わせ下さい!!

また、登山を始めたい方向けに「登山を始めたい人必見!!揃えるべき登山用品たった2選」の記事を書いていますので参考にして下さい。

↓↓↓

40代から始めるマイカー登山 | 登山を始めたい人必見!!揃えるべき登山用品たった2選+2
こんにちは。 40歳にして登山を始めて早数年。 今では1人でテント泊や車中泊などの山遠征※をこなしています、週末ハイカーのはるたろうです。 ※決して家庭をないがしろにはしておりません。子供も大きくなったことと妻の許しを得て遠征に行っているこ...

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