ロングトレイル攻略 Part.1 | 総延長200kmにおよぶ壮大なボルケーノトレイル 徹底ガイド②

山ガイド

こんにちは。

週末ハイカーのはるたろうです。

今回は磐梯・吾妻・安達太良 ボルケーノトレイルへの挑戦と称して、総延長200kmにおよぶ火山を巡る旅「ボルケーノトレイル 徹底ガイド②」をお届けしたいと思います。

↓↓↓ボルケーノトレイル 徹底ガイド①もあわせてご覧下さい↓↓↓

ロングトレイル攻略 Part.1 | 総延長200kmにおよぶ壮大なボルケーノトレイル 徹底ガイド①
こんにちは。 週末ハイカーのはるたろうです。 今回は磐梯・吾妻・安達太良 ボルケーノトレイルへの挑戦と称して、総延長200kmにおよぶ火山を巡る旅に出掛けてきました。 とはいっても週末ハイカーですので、まとまった休みが取れるわけでも無く、中...

週末しか山に行けないため、四国八十八カ所を巡礼する、お遍路の「区切り打ち」に習い、壮大な磐梯・吾妻・安達太良 ボルケーノトレイルを数回に分けて繋げていきたいと思います。

さて、今回は総延長約200kmの内の約6km(ピストンのため実施に歩いた距離は12km)を旅してきました。

様々な絶景を見ることが出来ましたので皆さんに紹介したいと思います。

この記事を読んでいただきボルケーノトレイルに興味を持たれた方は是非チャレンジしてください。

※この記事は2023年5月20日の山行をもとに作成しています。

磐梯・吾妻・安達太良ボルケーノトレイルとは

福島県に聳える吾妻連峰と安達太良連峰。

その二つの連峰はともに日本百名山に数えられ、多くの人達に愛される名峰です。

この二つの山域をトレイルコースとして整備したのが、総延長200kmにもおよぶ磐梯・吾妻・安達太良 ボルケーノトレイルになります。

〈磐梯・吾妻・安達太良 ボルケーノトレイル〉

また、この二つの名峰はともに活火山です。

特に、このトレイルの北端に位置する一切経山周辺では今でも噴煙が立ち上り、その大地は植生を拒絶するほど荒涼とした景観を私たちハイカーにまざまざと見せつけてきます。

一方で、少し足を伸ばすとそこには緑豊かな湿原や宝石のように散りばめられた池塘など、生命の豊かさを感じさせてくれる景観があります。

このような正反対の景色を長いトレイルコースの中では交互に見ることになりハイカーを飽きさせることはありません。

また、トレイルコースの名称にもなっている”ボルケーノ”(火山)

ひとたび噴火でもしたら、人々に絶望的な恐怖と壊滅的な被害を与えます。

一方で、その破壊の中で生まれるものもあります。

このトレイルは、火山により享受された副産物を探す旅でもあるのです。

恐怖と破壊の代償として人類が得たものは何か?

その答えがこの磐梯・吾妻・安達太良 ボルケーノトレイルを歩くことで見えてきます。

是非、皆さんも総延長約200kmにおよぶ火山を巡る旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

今回のコース

今回は赤線で示した部分の約6km区間(ピストンのため実際に歩いたのは12km)を歩いてきました。

※実線は当ブログで紹介済みのルート。

ルートは塩沢登山口~箕輪山~塩沢登山口のピストンルートです。

駐車場

塩沢登山口から箕輪山を目指す場合の駐車場は塩沢登山口駐車場になります。

収容台数は約100台で駐車料金は無料です。

尚、塩沢登山口は利用者が少ないため、駐車場は余裕をもって使用出来ます。

車でのアクセス

トイレ情報

塩沢登山口や今回歩いたコースにトイレはありません。

因みに塩沢登山口にあるウインターシーズンのみ営業しているレストハウスにトイレがありましたが鍵がかかっていて使用出来ませんでした。

ここのトイレを利用出来るのはウインーシーズンのみのようです。

従って、トイレは塩沢登山口に到着する前に済ませておきましょう。

また、携帯トイレを持っていると山行中は安心です。

コース詳細と見所

塩沢登山口~箕輪山

塩沢スキー場の敷地内にある砂利道を進んでいきます。


樹林帯に突入しいよいよ本格的な登山道っぽくなってきました。

しかし、この辺はまだまだ平坦な道が続きます。


しばらく進むと箕輪山方面と安達太良山方面の分岐に辿り着きます。

今回は箕輪山を目指しますので分岐を右側に進みます。


箕輪山方面に進むと直ぐに湯川という水流が豊富な川にぶつかります。

水はとても透き通っています。

しかも、この湯川は沢登りを楽しめるそうです。

余談ですが、山をはじめると、沢登りも含めて、雪山、岩稜帯など、色々と挑戦したいことが広がっていきます。

いずれは、この湯川の沢登りも紹介できたら良いなと考えています。

それにしても、安達太良連峰はこの湯川をはじめ、奥岳登山口付近を流れる烏川、沼尻登山口付近を流れる硫黄川と、とても水が豊富な山です。


さて、箕輪山を目指すためには、この水流が強く、水量が豊富な湯川を越える必要があります。

どのように越えるのか気になるかと思います。

なんと、ちょっと不安感が丸出しの丸太の橋を渡ります。

バランスを崩すと川ポチャしてしまいますので慎重に渡りましょう。

スタート時点で靴と靴下びしょ濡れほどテンションが下がることは無いですからね。

なんとか無事に渡りきることが出来ました。

振り返るとこんな感じです。

ロープで縛られているのは流されないためでしょうか。


少し進むと、また丸太の橋が出てきます。

この川は先ほど渡った湯川に合流する名も無き支流です。

この登山道を歩いているとこのような支流が何本か登場します。

いずれの支流も、水がとても透き通っていて綺麗です。


何本か支流を越えると、幻想的な光景を見ることが出来ました。

苔むした木の根の下を水が流れていました。

現実世界でこのような光景を見ると何枚も写真を撮ってしまいます。


その後も樹林帯の中を進んでいきます。

この時の山行は生憎の天気だったので、とても霧が深く一面が白に浸食されていました。

見晴らしの良いところでは残念な天気ですが、樹林帯の中だととても幻想的です。

前述したとおり見晴台でこの天気は残念でした…。

天気が良いときはどのような景色が見られるのでしょうか。

いつかリベンジしたいと思います。


見晴台を過ぎると、樹林帯から抜けて少しばかり開けてきます。

くどいようですが、生憎の天気のため景観はゼロですが…。


遠くの景観がダメなら近くに目を向けようじゃないか。

ということで、足元を眺めているとバイカオウレンが咲いていました。

天気が悪い場合は近くの景観を存分に楽しむ!!

こんな楽しみ方も良いかも知れません。


少し進むとさらに開けた場所に出ました。

何か表札があります。

このあたりからも湯川を遡上していく沢コースに入れるのでしょうか?

沢コースを歩く場合の注意が書かれていました。


この先はちょっと歩きにくい背の低い木のトンネル&ドロドロゾーンになります。

頭上と足元に注意しながら進みましょう。


木のトンネルを抜けると完全に景色が開けます。

はたして、霧が晴れている場合はどんな景色を見せてくれるのでしょうか?

想像力がかき立てられます。


突然ですが、ここで少し反省の弁を述べさせてください。

この山行は5月でした。

ここ数日はとても暖かい日が続いていたため、登山道に雪は無いだろうと高を括っていました。

そんな私をあざ笑うかのように、突然目の前に大きな雪渓が現れました。

辺りを見渡し、雪渓を回避するルートが無いか確認しましたがそんなルートはどこにもありません。

もちろん高を括っていた私ですからチェーンスパイクなどは家に置いてきております。

要するに当事履いていたモンベルのティトンブーツのグリップ力に賭けるしか無い。

そんな状況でした。

私は雪渓を進みました。

モンベル頼む!!と願いながら…。

しかし、皆さんのご想像の通り、そんな願いは安達太良連峰の広大な山肌に虚しくも吸い込まれました。

派手に滑って転んだのです。

いくら登山靴とは言っても、このティトンブーツは夏山仕様の登山靴です。

雪で滑らないでほしいなど私の勝手な願いであり、モンベルさんにとったら甚だ迷惑な願いです。

一度仕切り直してもう一度ルートを観察しました。

唯一の救いは、雪渓が果てしなく下の方まで続いているという状況では無く、例え滑り落ちたとしても数m下の笹藪に突っ込むだけなので、命の危険は無いことです。

まずは微かに踏み跡のある道をつま先で数回蹴って、足場を安定させます。

この行為を繰り返し、10m程進みました。

雪渓ルート全体の1/3といったところでしょうか。

以降は踏み跡が無くなりました。

よって、一度笹藪のところまで降りて雪渓と笹藪の境を歩くことにしました。

これで雪渓を滑り落ちるという派手なパフォーマンスをすることは無くなりましたが、別の問題が発生しました。

雪渓と笹藪の境目ということは、雪渓が溶けはじめている場所ということです。

すなわち、結構な水たまりであり、靴と靴下がびしょ濡れになってしまうということです。

滑り落ちるよりはましだと自らに言い聞かせて、足湯ならぬ足水を楽しみながら進みました。

そんな感じで雪渓も全体の2/3程進みました。

ここからは一度笹藪まで下がった分、雪渓を登って行く必要があります。

ここまで来たら、プライドも何もありません。

雪渓に張り付き、ヤモリになった気分で全身を使って登っていきます。

その結果、無事に雪の無い登山道に復帰することが出来ました。

チェーンスパイクを持ってきてさえいれば、靴や靴下が濡れずに、尚且つプライドを捨てること無く雪渓を渡りきることが出来ました。

これらは、私の考えの甘さが招いた結果ではあります。

これを機に6月中はチェーンスパイクを携帯しよう思いました。

以上、反省の弁でした。

↓突然の雪道対策としてチェーンスパイクは準備しておきましょう↓

微かにのこる踏み跡を行く
靴と靴下を犠牲にして、雪渓と笹藪の境目を渡った
私はヤモリだと言い聞かせて這いつくばりながらも雪渓を登った

雪渓を渡りきると、雪は姿を消しましたが、雪解け水でぬかるむ坂を登っていく必要があります。

また、この登山自体利用者が少ないため、木々の枝が登山道を塞いでいます。

よって、草木をかき分けて進む必要があります。


草木をかき分けて進むと、箕輪山と鉄山のコルに辿り着きます。

今回辿ってきたコースについての注意書きがありましたので載せておきます。

噛み砕いて言うと「今後このコースの整備は行わないので、このコースを使用する場合は地理的判断が可能な経験者とともに登るようにしてください」とのことです。

磐梯・吾妻・安達太良ボルケーノトレイルコースの一部なので今後は整備するようになるのでしょうか?その辺りは見守って行きたいと思います。


さて、道中滑って転んだり、ヤモリになったりと色々あった山行も、目的地となる箕輪山の山頂まで目と鼻の先の所まで到達しました。

ここからは少しばかり急登になりますが、距離は短いので最後の一踏ん張りで頑張りましょう。

山頂直下の急登ほど辛いことはありませんが、この辺りは山桜が咲いていて、その可憐な花びらたちにとても癒されました。

こういったアクセントがあると急登でも頑張れますね。


さあ、空が近くなってきました。

山頂はもう少しです。

頑張りましょう。


山頂に到着すると、数分おきに雲が抜けて雲海や滝雲など、良い景色を見ることが出来たので、写真を載せておきます。


また、三角点は箕輪山の山頂から数十メートル離れたところにありましたのでそちらにも向いました。

今振り返ると、三角点までの道のりが一番ハードだったかも知れません。

基本的に踏み跡はほとんどなくて、低木が生い茂り行く手を阻みます。

進んでは引き返しの連続でしたが、GPSを頼りになんとか辿り着けました。

ようやく辿り着いた三角点

三角点にタッチした後は、再度箕輪山の山頂に戻り滝雲を見ながら行動食の柿の種を補給し下山しました。

下山後の楽しみ

下山後は、「湯川渓流の宿 青木荘」さんに日帰り温泉でお世話になりました。

湯川渓流を眺めながら汗を流し、とてもスッキリしました。

↓今回お世話になった「湯川渓流の宿 青木荘」さんです↓

塩沢温泉 湯川渓流の宿青木荘 福島県二本松市、温泉、安達太良山、福島県あだたら山麓の温泉湯川渓流の宿青木荘です。
塩沢温泉 湯川渓流の宿青木荘 福島県二本松市、温泉、安達太良山、福島県あだたら山麓の温泉湯川渓流の宿青木荘です。あだたら山の麓、渓流と森に囲まれた静かな宿で、良く温まる風呂があります。お得な割引もあり日帰り・休憩、入浴のみも利用可能です、お...

まとめ

磐梯・吾妻・安達太良 ボルケーノトレイルの旅はいかがでしたか?

今回辿った塩沢登山口コースでは水量が豊富な湯川がありました。

また、その湯川はいくつもの名も無き支流から形成されています。

その更に上流には、膨大な量の雪解け水が地中深くに存在し、それらが大地という幾層にも重なったフィルターを通って、透き通った水となり地上に湧き出てきます。

冒頭でも述べたとおり、私達に恐怖と被害を与えるとてつもない自然災害の一つである火山。

しかし、その反面、私たち人間に対して生きる上で必要な水資源を与えてくれます。

今回歩いたのは総延長200kmのボルケーノトレイルに対して1割にも満たない距離ではありますが、自然に対する感謝を身をもって体感出来たとともに、磐梯・吾妻・安達太良 ボルケーノトレイル全てを踏破したいという強い思いが芽生えました。

まだ未踏のコースについても今後実際に歩いてレポートしたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回辿った箕輪山の塩沢コースでもっと知りたいことなどあれば、是非お問い合わせ下さい!!

また、登山を始めたい方向けに「登山を始めたい人必見!!揃えるべき登山用品たった2選」の記事を書いていますので参考にして下さい。

↓↓↓

40代から始めるマイカー登山 | 登山を始めたい人必見!!揃えるべき登山用品たった2選+2
こんにちは。 40歳にして登山を始めて早数年。 今では1人でテント泊や車中泊などの山遠征※をこなしています、週末ハイカーのはるたろうです。 ※決して家庭をないがしろにはしておりません。子供も大きくなったことと妻の許しを得て遠征に行っているこ...

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